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Research

東邦大学理学部生命圏環境科学科の群集生態学研究室で、寄生虫の自然史をメインとした研究を行っています。卒業研究や大学院で進学したい方、PD、共同研究者を常に募集しています。研究室訪問は、対面でもオンラインでもいつでも受け付けていますので、お気軽にメールなどでお問い合わせください。

Email: tsukasa.waki「@」sci.toho-u.ac.jp

外来種がもたらす寄生虫に関する研究

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​利根川水系に定着したチャネルキャットフィッシュ

近年の人間の経済活動により、様々な外来種が侵入しています。これに伴い、それらの外来寄生虫も随伴して侵入しています。これらの分布の把握や病害性の評価を行っています。

例えば、尾崎腹口吸虫 Prosorhynchoides ozakii は大陸由来の外来種の寄生虫です。本種は、特定外来生物カワヒバリガイとともに、2000年ごろ淀川水系に侵入したことがすでに知られていました。2022年に、淀川水系から離れた利根川水系にもこの寄生虫が侵入していることを明らかにしました(Hayashi et al. 2022)。この寄生虫は、利根川水系ではチャネルキャットフィッシュ(北米原産)、カワヒバリガイ(東アジア原産)などの外来種を経由して在来魚に感染することが分かりました。

​このほかにも、関東をはじめとした日本には、様々な外来寄生虫が侵入していたり、あるいは侵入のリスクがあると考えられます。その侵入の実態を明らかにするとともに、防除や水際対策について考えていきます。

利根川水系における尾崎腹口吸虫の生活史(Hayashi et al. 2022)

人と寄生虫が共存する社会を目指す

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外来種のような"戦うべき寄生虫"の他に、"守るべき寄生虫"がいます。それは宿主にあまり害がなく、中には絶滅しかけているものもいます。どのような都市環境が寄生虫と共存できるのかを考えます。

身近な寄生虫の種多様性と、生活史に関する研究

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寄生虫の様々な種を明らかにしつつ、それらの生活を成立させるための生活史の解明を試みています。種の記載、DNAバーコードや感染実験による感染経路(中間宿主)の特定を行います。

​寄生虫は、私たちの身近な場所にも息づいています。どのような種がどのように生きているのか?その疑問を解き明かすことで、私たちの「隣人」である寄生虫との付き合い方が分かっていくはずです。

キセルガイサンゴムシの生活史。キセルガイというカタツムリと、鳥類に感染すると考えられている(Waki et al., 2022)。2022年に、東京都港区で記載された「都市の寄生虫」である。
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